ハッピーバースデイクロ助♪ 早いもので今日から5月。
世間ではGWという事で、いつも道場へ向かう道路が微妙に空いていたり、多摩川の河川敷では天気も良いこともあってか、いつも以上にウジャウジャと若人達のバーベキューやら家族連れやらが遊んでいたりとで、平和な日々が続いているが、そんな世間ののどかな風景とは一切関係なく、俺はいつものようにトレーニングに励んでおります。

そんな今日5月1日だが、ここで突然のカミングアウトをしたいと思います。

実は何を隠そう今日5月1日は、「成瀬 くろ助♂」の3歳のお誕生日であります。
何で今日がクロ助のお誕生日かというと、アイツと出会ったのが確か今から三年前の5月の前半だったと思うので、まあアイツが生まれた正確な日にちなんか分かりゃしないんだから、
だったら覚えやすくて区切りの良い1日でイイじゃないかと思って、親である俺が適当ではあるが強引に決定させてもらいました。

今日はあの当時の事を思い出してみたいと思います。

クロ助の人生のスタートは、どしゃ降りの鶴見川河川敷に他の5匹の兄弟達と一緒に捨てられていて、泥だらけになっているトコロを当時俺の同僚だった同期の山本宜久(高田道場)とレフリーだった和田良覚(最強)に拾われたのが始まりでした。

猫アレルギーだった山本と自宅に室内犬を飼っている和田さんは、共に猫の面倒が見れないため、急遽捨て猫マスターだった俺に何とかしてくれ!と依頼があり、雨に打たれてプルプルと震え、口の中まで泥が入ってしまっている6匹の子猫達を任したのが俺との始めての出会いでした。

子猫たちはほぼ全員がまだ目も開いておらず、しかもその何匹かはへその緒が付けっぱなしになっており、こんな生まれてから一週間も経っていないような幼い猫達を平気で雨の中捨てる事が出来る人間に憤りを感じつつ、この泥だらけで震えている子猫達を、俺は救える事が出来るだろうかと正直不安になりました。

俺は山本と和田さんが洗ってくれた子猫達を受け取り、まずは口に入ってしまった泥を人工呼吸の逆の要領で、自分の口で猫たち一匹一匹の口の中の泥を吸い出してやり、ペットショップで買ってきた子猫用の哺乳機で子猫用の粉ミルクを火傷しない微妙な熱さに調節して一匹一匹与えました。

半分以上の子猫達はミルクをなんとか飲み始めてくれて少しずつだが俺も安心できたのだったが、実は当時クロ助だけはミルクを与えても直ぐに「ウゲェ」と戻してしまい、ほとんど受け付けてはくれず、カラダも一番痩せ細っていたので、「コイツはもしかしたらヤバイかもな?」と一番心配した子猫だったのでした。
しかし、ミルクを飲み始めてくれた子猫達に安心していたのも束の間、母猫の初乳を満足に飲むことが出来なかった子猫達は、日が経つにつれて一匹また一匹と天国へといってしまい、拾ってから一週間でクロ助以外の5人兄弟達は全員、クロ助一人を残していなくなってしまいました。

俺はミルクも殆ど飲んでくれず、ガリガリに痩せ細ってしまったクロ助を見て、コイツももう駄目かもしれないなと思っていたのだが、最後の兄弟がいなくなった後、急にクロ助は猫が変わった様に「ゴキュゴキュ!」とミルクを飲み始めてくれて元気になり、初めは“リポビタンD”ぐらいの大きさしかなかったカラダも日が経つにつれてみるみる太く大きくなっていってくれました。

俺は哺乳機を両前足でしっかりと掴み、ミルクを「ゴキュゴキュ!」と飲んでくれるクロ助に「頑張れ!くろ(←当時の呼び名)!頑張れ!」と無意識にそう声を掛けており、気が付けば「クロ、クロ、クロ助!」と呼ぶようになっていました。


俺は当時、急にミルクを飲んでくれて元気になったクロ助をみて、きっとクロ助を残して天国に行ってしまった5匹の兄弟達が、一人ぼっちで残ったクロ助のために「生きろっ!」と、なんらかの“ミエナイチカラ”をおくってくれたのではないかと思いました。

俺は人生のスタートが「どしゃ降りの鶴見川」というこれ以上ない最悪のスタートだったクロ助には、せっかく助かった命なので、天寿を全う出来るように健やで幸せに過ごしてもらいたいと思っています。

まあ講釈が長くなりましたが、クロ助、ハッピーバースデー♪

以上!

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SPIRIT R NARUSE KUROSUKE HAPPY BIRTHDAY♪
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