自分はこの『いじめと自殺』をテーマにする時に、必ず話す事にしているお話があります。
講演第2部テーマ『いじめと自殺』

それは今から数年前、北海道の小学生がいじめを苦にして自殺し、残した遺書に「友達にキモイと言われてとてもつらい気持ちになった」と書かれていたことです。

この普段誰もが何気なく使ってしまっている「キモイ」という言葉。

それと同じくらいに使われているであろう「ウザイ」という言葉。

そして「シネ」という言葉。

TVでも、芸能人やお笑い芸人が当たり前のようにフツーに使っているこれらの言葉は、時として人を自殺に追い込む程の凶器になり得るコトバだという事を、大人はなにも知らずに普通に使っています。

本来子どもに対してお手本となるべき大人たちが当たり前に使っているコトバを、子どもが悪びれもせずに同級生に投げかけるのは、当然といえば当然です。

このコトバは、使った本人はそこまで思っていなくても、言われた方は深く心を傷つけられます。

自分は子どもたちに、これらのコトバは他人に対して言ってはいけないとキッパリと言い切り、今後は一切使うなと約束をさせます。

この時、壇上から子どもたち一人一人に目をやると、何人か目を逸らす子どもがいます。

もしかしたら、実際にこれらのコトバを普段から使っていて、後ろめたさを感じているからかも知れません。

次回ラスト。

成瀬昌由